焙煎機「IRC-7」での焙煎

豆を煎るときのこつは手網焙煎同様「始めチョロチョロ・中チョロチョロ、弾けだしたら後パッパ」です。
「焙煎曲線」をキープしていくと、毎回ほぼ同じタイミングで豆が変化します。
主な変化点は手網焙煎と同じです。

実際のガス流量(ガスメータで確認出来る)とコックの位置(バーナー圧)の関係を調べて、バーナーの性能を把握しておくと焙煎時の目安になります。

弱火での使用時は「失火」に注意が必要です。
ダンパ調節後は必ず目で見て確認します。


微圧計

微圧計

バーナーに微圧計を付けると焙煎の再現性が高くなります。
バーナー用の微圧計の単位は「mmAq」でしたが、「KPa」に変わっています。LPGだと5Kpaで間に合うようです。
一般的なバーナーだと0.5kPa(50mmAq)~2.5kPa(250mmAq)が実用範囲です。


焙煎は早すぎると「渋み・えぐみ」が残りやすくなり、遅すぎると「味・香り」が出にくくなります。適正な時間で収めるようにします。
(高速焙煎機で焙煎した豆を何度か試飲しましたが、「渋み・えぐみ」が先に立ち一口飲んだだけで嫌になりました)
また、豆の変化を無視して火力を変化させても豆は反応せず、焦げたりする原因となります。豆面をよく見ましょう。
加える熱量の積算値が一定の値となると次の反応に進みますので、豆の量に応じたその時点での適正火力を与えるようにします。

豆面 経過時間 排気温度 記   事
スタート 200℃ 釜予熱 火入れ後最初の焙煎は焙煎機が十分暖まっていないので温度変化が緩やかになります。「浅煎り用の豆」か「くず豆」を煎って暖機運転をすると良いでしょう。
2分 120℃ 最低温度 投入した豆の量で最低温度は変化します。
1はぜまでの火力も案外重要です。
火力不足だと香りがぼやけたり、油臭くなります。
5分 145℃ 予熱 熱を受け豆の組織が柔らかくなります。
薄皮がはがれて、豆の表面が黄色くなり始めたらチャフを飛ばします。
色が変わると青臭い香りから、天津甘栗のような炒り豆の香りに変化します。
1ハゼ始め

1ハゼ始め

1ハゼ終了

1ハゼ終了

14分 188℃~200℃ 1ハゼ パチッパチッと弾け始めたら、焦がさない程度に火力を上げ素早くはじかせます。
ここで豆の持つ味と香りが引き出されます。
火力が足りないと味と香りを十分引き出すことが出来ません。

ミディアム・ロースト

ミディアム

15分30秒 202℃ 浅煎りの場合は、1ハゼが終了するころから火力を少し抑えると香りが良く出るようです。
(注:抑えすぎると青臭くなります)
深煎りの場合は強い火力のまま2ハゼへ進めます。

ハイ・ロースト

ハイ

16分 206℃ 豆の組織がどんどん膨張します。

シティ・ロースト

シティ

16分30秒 215℃ 2ハゼ 豆によっては2ハゼの前半に独特の「臭さ」が出ます。
(特にコロンビアは気になる)

フルシティ・ロースト

フルシティ

17分30秒 220℃ 色がどんどん深くなり、香りも焙煎香が強くなります。
豆が大きく膨らんでいきます。

フレンチ・ロースト

フレンチ

18分30秒 230℃ 表面に油が浮かんできます。
3ハゼ

イタリアン・ロースト

イタリアン

19分30秒 240℃ 約240℃でリミッターが働き、ガスの供給が止まります。

望みの焙煎度合いに達する頃合いを見計らって釜から出します。
判断は排気温度計を参考にしています。
豆の量が少ない場合は温度と豆の様子が一致しないことがありますので、要注意です。
珈琲の焙煎というと、釜だしの時に「煙がモクモク」のイメージがあると思いますが、私の使用しているIRC-7ではほとんどの煙は煙突から排出され、室内に煙が出ることはありません。おかげで人間薫製にならずに済んでいます。
また、冷却にはあまり時間がかかりません。これは小容量釜の利点だと思います。

豆が冷えたらハンドピックをして出来上がりです。
煎りムラの出た豆を除きます。
焙煎前のハンドピックが適正だったら3kgの焙煎でも数粒程度です。

飲み頃は2日後から1週間程度で、以降徐々に抜けていきます。
6週間程度経つと劣化がはっきり分かるぐらい変化します。
焙煎直後のエージング時は冷蔵・冷凍しない方が良いみたいです。

焙煎時の問題点と対策

症  状 対   策
豆の一部分が焦げる ●火力を少し絞る
豆が膨らまない ●時間が短すぎる >>> 浅煎り16~20分程度で煎りあげる
●浅煎りの場合:1ハゼ終了後に少し火力を絞る
※新豆で浅煎りの場合はダブルローストを試行
抽出した珈琲液が濁る
★特に浅煎りの場合に多い
●1ハゼでハゼ残りがある >>> 確実にはじかせる
●ハンドピック不足 >>> 焙煎前のハンドピックを充分行う
※新豆で浅煎りの場合はダブルローストを試行
カップテストで味・香りがばらつく ●ハンドピック不足 >>> 焙煎前のハンドピックを充分行う
香りが足りない ●1ハゼ以降の火力不足 >>> 火力を上げる
●時間のかけすぎ >>> 時間割を見直す
●ハゼの排気が強すぎる >>> ダンパーを少し閉じる
※珈琲豆の特性かも?
香りが良くない
★青臭い、油臭い、etc…
●予熱時の火力不足
●浅煎りの場合 >>> 1ハゼ終了後に少し火力を絞る
●香りが良くなる煎り上がり温度を探す
見た目は浅煎りなのに苦い ●予熱時の火力不足
(ハゼまでの時間がかかりすぎると苦くなる)
焦げ臭い
★豆の表面をなめると苦い
●ハゼの排気が弱すぎる >>> ダンパーを少し開く
※ダンパー全開なら煙突の能力不足